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2011年3月17日

こうなることを予見していたかのような

福島第一原発の状況は悪化する一方です。何とか,持ちこたえてほしいと祈るような気持ちでいます。

しかし,大地震に原発が遭遇すれば今回のようなことになるであろうことは,以前からも指摘されていたところであり,全く意外なことが起こったという感じはしません。

当ウェブログで紹介した記事から,今回の事態を予見するかのような内容を含むものを紹介。


志賀原発2号機運転差し止め訴訟で原告側勝訴」(2006年3月24日付エントリー)


このエントリーは,日本の裁判史上で初めて,原発の運転差し止めを認容した地裁裁判例(高裁で逆転敗訴)を紹介したものです。

判決文のうち,今回の事態と関連のありそうな部分を引用します(傍線引用者)。

「(2)上記のように,被告が,本件原子炉が基準地震動S1,S2を超える地震動を受けたときの解析をしていないため,その場合にどのような事象が生じるかは推測の域を出ないが,可能性としては,碍子破損等による外部電源の喪失非常用電源の喪失,配管の破断,シュラウドの破断(前記第4の3(1)ア(ウ)a(b)で認定したとおり,シュラウドは基準地震動S1,S2に耐えることを健全性評価の基準としている。),冷却材の減少,喪失ECCSの故障,反応度の上昇等が考えられるし,最後の砦であるスクラムの失敗も考えられないではなく,炉心溶融事故の可能性も反応度事故の可能性もあるというべきである。いずれにしても,被告が運転時の異常な過渡変化や事故の評価の前提としている機器の単一の故障や単一の誤操作に止まるものではなく,様々な故障が同時に,あるいは相前後して発生する可能性が高く,そのような場合,被告が構築した多重防護が有効に機能するとは考えられない。そうすると,その場合,本件原子炉周辺住民が許容限度を超える放射線を被ばくする蓋然性があるといわざるを得ない。」

ほとんど,福島第一の現状に当てはまるのが怖いですね。


浜岡原発訴訟判決」(2007年10月26日付エントリー)


次のエントリーは,浜岡原発訴訟についてのもの。静岡地裁は、「東海地震だけでなく東南海・南海地震と連動した場合にも耐震安全性が確保されて」いると認定しましたが,それに対して石橋克彦・神戸大学名誉教授のコメントがおそろしい。

「判決の間違いは自然が証明するだろうが、そのときは私たちが大変な目に遭っている恐れが強い。」

勿論,この判決は浜岡原発に対するものであり,福島第一原発には関係ないのですが,今回,自然によって証明された事態が私たちを大変な目に遭わせているということを想起すると,石橋克彦教授のコメントは正しいものであったといえます。


繰り返しになりますが,何とか持ちこたえてくれることを切に祈っています。

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80キロか30キロか困っています。多くの人が職場から出撃していきます。
原発に放水にいくほどでもないが、近隣支援で多くの人がいきます。毎日、重い雰囲気で仕事をしています。

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