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2011年2月の記事一覧

2011年2月 3日

怖い鬼

昨日一昨日と,導入起案と呼ばれる民事裁判・刑事裁判の即日起案でした。どちらも難しい。中旬にある講評で教官に呆れられることでしょう・・・・。

そして,今日からいよいよ本格的に民事裁判の修習が始まりました。とりあえず,記録の検討と傍聴。私の部の修習生には早速前のひな壇に座って傍聴した者も(私はとりあえず今日はひな壇には座りませんでした)。


さて,今日は節分ということで,娘の保育園は豆まき会をしたようです。んで,どうも怖い鬼が登場したらしく,我が娘も逃げ回っていたようです。

夕方に娘を迎えに行ったら,いろんな子が口々に「鬼こわかった」と訴えていました。我が娘も,「おに こわかったね」と言っていたそうな。

晩飯に,私と妻は恵方巻きを食べました。娘はまだ巻き寿司の丸かぶりは無理ですけどね。

2011年2月 4日

不法行為法理論のいま

H大法学部の民法のS教授がこの度定年退官を迎えられ,最終講義が行われました。タイトルは「不法行為法理論のいま」でして,雲右衛門,大学湯時代から現在に至る不法行為法をめぐる論点の移り変わりを概観した講義でした。

夕方の5講時の時間帯だったので,裁判所から急ぎ駆けつけましたが,超満員でした。


S教授には私も法科大学院で教えていただき,学生を当てる際にソクラテス的にやっておられたのが印象的でした。以下のような感じで。

学生「えーっと,○○は△△だから」
教授「うん,いいよ」
学生「そして,△△ということは▲▲で」
教授「ん?」
学生「あ,間違えました,△△ということは□□で」
教授「いいよ!」
学生「だから,◎◎ということになるかと思います」
教授「オッケイ!」

そんな感じで,なるほどと,よく分からなかったところが腑に落ちることも多く,大変ためになる授業でした。


春から,東京のW大学に転任なさるとのこと。今までのご学恩に感謝するとともに,今後のご活躍を祈念いたします。

2011年2月 5日

任侠,これ弁護士の使命なり

札幌駅の北口から少し行ったところにあるミニシアターの「蠍座」に,「弁護士布施辰治」というドキュメンタリー映画を観に行きました。

布施辰治は戦前から終戦直後に活躍した弁護士で,戦前の日本共産党3・15大検挙の弁護活動に関連して大審院に弁護士資格を剥奪されたりしながらも終生民衆のために働いた方です。

昔,岩波新書で布施氏のことを書いた「ある弁護士の生涯」というのを読んだことがあり,すごいなぁと思っていたのですが,この度映画になったということで,改めて氏の生き様を知る機会ができました。

戦前の状況と現在を対比すると,いかに思想の自由や表現の自由が確保された現在の日本が恵まれているか,痛感せざるをえません。また,戦前は弁護士は裁判官や検察官と比べると一段低い地位にあり,また弁護士資格の剥奪は裁判所の権限であり,弁護士の活動に裁判所が懲戒権を行使することが出来たことを思うと,今の弁護士自治,ならびに裁判官・検察官・弁護士の法曹三者を一体的に養成する統一修習の重要性が実感されます。

タイトルに掲げた「任侠,これ弁護士の使命なり」とは布施氏の言葉でして,要は弁護士は弱きを助け強きをくじくのが使命だということです。

「蠍座」での上映は7日までなので,関心ある方はお早めに。

2011年2月 6日

おたる水族館

休みということで,どこかに出かけようと思い「じゃらん」をみていましたら,娘が「おたる水族館」のペンギンの写真に興味を示していたので,一家3人で車に乗って小樽市祝津にある「おたる水族館」まで出かけました。

行きは,運河のところから「水族館」という標識に従って,やたら狭い道をぐねぐね通って行きましたが,これは遠道でして,「祝津」の標識に従って海沿いのトンネルを通っていくのが早かったようです。

娘は大きな魚やイルカなどを近くで見るのがこわかったようで,抱っこして水槽のガラスに近づけるといやがって「ないない」とか,「まー」とか言っていました。しかし,遠くから見るのはそれなりにおもしろかったようで,少し離れたところから,いろんな水槽を興味深そうに見ていました。あと,アシカとイルカのショーは,一番後ろの席から見たのですが,ジャンプに拍手したりしていたのでおもしろかったようです。ペンギンは間近であまり怖がらずにじっと見ていました。

おたる水族館には,なにやら食卓に上るような魚などがやたらに展示されていました。サバ,ニシン,ホッケ,メバル,コマイ(氷下魚),ワカサギ,ホッカイシマエビ,ウニ,毛蟹などなど・・・・。思わず「うまそう」と思ってしまいました。ホンマ,生け簀みたいだった。

娘にとっては初の水族館をそれなりに楽しんでくれたようで,何よりでした。

2011年2月 7日

「社会科見学」ではいかん

民事裁判修習も2週目に入りました。

配属部の雰囲気にはすっかりと慣れてきたのですが,裁判所の修習でなにを体得するのかという点がまだ今ひとつわかっていないような感じです。

裁判官室に入ってあれこれするというのは私にとっては当然初めての経験でございまして,何もかもが物珍しく,興味津々です。しかし,そのせいで私は何やら「社会科見学」みたいな気分になっていたようでして,当事者意識がない,といいますか,裁判官ならどうするのか,という観点で記録を読んだり手続に立ち会ったりということがまだまだ出来ていません。

まだまだ甘い。これではいかん。

2011年2月 8日

娘にとっては大事件

夕方,保育園に娘を迎えに行きましたら,園長先生に「すみません,○○ちゃん椅子を触っていて倒してしまって,足の親指ぶつけてしまったんです」とのこと。みると,足の爪のところが少し青タンになっていました。別段たいした怪我ではないのですが,靴下をはかせたらちょっと痛かったようで,「いたいの?」と尋ねると「うん,×☆※○しちゃった」と何やら今まで聞いた事のない宇宙語で答えておりました。

娘にとっては大事件だったんでしょうね。そのことを必死に訴えようとしていたのが何やらおもしろかった。


今日の修習では,ついに法壇に上りました。傍聴席や弁護士席から見るのと全然風景が違う。ちと感動。

あと,午後に民事執行の講義がありました。制度の概観はできたと思います。

2011年2月 9日

裁判所懇親会

今日は夕方に家庭裁判所の地下食堂で民事部・刑事部配属の修習生と裁判官との懇親会が行われました。

他の部におられる裁判官とはまだあまり知り合う機会もなかったものですから,親睦が深められていい機会でした。ありがとうございました。


昼の修習では,今日は労働審判を傍聴する事ができました。なかなか興味深い制度です。

2011年2月10日

「座学」という言葉

今日は,午後に民事保全の講義がありました。そこで,裁判官に「今から座学なので行ってまいります」と声を掛けたら「座学って,座って学ぶってこと? 北海道弁かい?」と聞かれました。

あれ,そんなに珍しい言葉かしら,と調べましたら,元々これって軍隊用語なんですね。知らなかった。

2011年2月12日

雪祭り

今日は娘を連れて雪祭りの会場に行ってきました。

雪像などを見て回って,ちょびちょびと食べ物を買っては食べ,娘はすっかり雪焼けしました。

娘はまだ1歳だから,すべり台とか,まだ早いんですよね。娘は雪の中を歩くだけで楽しいようですが。

帰りに札幌駅の大丸に寄りました。チロルチョコ位の大きさのチョコで何百円もするのがあるのに驚きました。

2011年2月13日

最初の数秒で運命は決まった

今日は,数年ぶりにスケルトンの大会に出ました。スケルトンは,言わずと知れたそり競技の一種です。

前回出場したときは,2回滑って合計タイムで勝敗を決するというルールだったのですが,今回はあいにくの降雪で競技時間を短縮するために,1回滑走のタイムで決めるという一発勝負になってしまいました。

会場となる藤野リュージュ競技場は,アルファベットの「J」の字を上下逆にしたコースで,直線をガーっと滑り降りてきて,右カーブのバンクに突入して抜けたところにゴール,みたいな感じです。

今回は,スタートでほんの少し右にそれてしまい,右の壁にぶつかり,その反動で,直線を滑降している間に左に衝突一回,またはじかれて右にもう一回ぶつかったところでバンクに入ってしまい,バンクを正規のコースよりやや左側,つまり外に飛び出し気味に抜けたところで右の壁に激突,そのままドカンドカンと左右にぶつかりながらゴールするというかなりひどい滑走になってしまい,タイム的にも順位的にもひどい成績になってしまいました。

すべての元凶は,最初に右の壁にぶつかってしまったことなので,不出来な滑走になることは最初の数秒で決まってしまっていたのでした。

かくして,今回は結構壁にぶつかったわけですが,ぶつかるのは橇なので,本人はいたってピンピンしております。

いやはや,奥が深い。

2011年2月14日

和解

今週も民事裁判修習です。今日も,裁判官についていくつかの手続に立会しました。

午前中は,先週かなり記録を読み込んでいた事件の弁論準備。今日は裁判所による和解案の提示で,私も一応和解案を考えたのですが,裁判官には「そんなのじゃ和解できないよ」と一蹴。どうも,一方にかなり厳しい条件になっていた様子。

午後は,すでに弁論終結して判決期日も指定されているある事件の和解期日。弁論終結した前の口頭弁論期日の様子では和解の機運はなかったそうなのですが,念のため和解期日を用意していたとのこと。

記録を読むと確かに和解は難しそうだったのですが,今日の期日で一転和解が成立しました。当事者にとっては苦渋の選択ではあったとも思いますが,紛争の早期解決という点ではよかったのではないかと思います。裁判官の,ねばり強く当事者の話を聞いて,説得して,うまく和解を成立させた手腕に感服しました。

2011年2月15日

導入起案講評

今日は,司法研修所から民事裁判,刑事裁判の各教官が来札し,今月頭に行われた導入起案の講評が行われました。なお,両教官とも,私がH大法科大学院に在籍していたときに札幌地裁におられた方で,H大に実務家教員として来られていたので顔見知り。

講評を聞いて,やはり難しいなぁ,というのがよく分かりました。こりゃ相当ひどい成績だな・・・・。

夜は教官を交えて懇親会。一次会で失礼しようかと思っていたのですが,一次会お開きになった時に民裁教官に「熊嶺さん,あなたとは話できなかったから,二軒目で話そう」とか言われてそのまま二次会に連行されてしまいました。

2011年2月16日

在来様式と新様式

裁判官から,判決の起案もやってみたらいいと言われ,ある事件の記録を読むよう指示を受けました。要件事実的には比較的簡単な事件だから,修習生が検討するにはちょうどよかろうというお話。

「判決は在来様式でも新様式でも好きな方でやっていいよ」と言われたのですが,そもそも,判決起案における在来様式と新様式の違いがまだよく分かっていません。

そこで,白表紙の「民事判決起案の手引」をまずは熟読。在来様式は,まず「事実」として当事者の主張を要件事実的に整理した上で「理由」を記載するようなので,手始めとしては在来様式の方が起案はしやすいように思いました。

「民事判決起案の手引」は法曹会から市販されているので,興味のある方はご覧になるのもよろしいかと。

法曹会のサイトへのリンク

2011年2月17日

民事問題研究

3月上旬に「民事問題研究」と題して,民事裁判修習中の修習生を対象にした勉強会みたいのがあります(公式行事なので全員参加)。そして,各配属部ごとにレジュメの割り当てがあったので,今日はそのレジュメをちまちま作っていたら思いの外時間がかかってしまいました。

A4で2枚程度,ということなのですが,表があった方が断然分かりやすいので,表入れて3枚ということで勘弁してもらいましょう。

2011年2月18日

弁護士の法服と修習生バッジ

皆さんご存じの通り,裁判官は,法廷に行く時は黒の法服を着用しています。

戦前は,検察官や弁護士にも法服があり,大通にある札幌市資料館(旧札幌控訴院建物)に行くと,弁護士の法服の実物が展示されています(リンク)。

今のガウン式の法服ではなく,唐草模様の刺繍の入った,聖徳太子の服装を思わせるようなものです(参考サイト)。

刺繍の色は,裁判官が深紫,検察官が深緋,そして弁護士は白だったようです。

ところで,司法修習生は,その身分を表す三色のバッジを着用しております。紺,赤,白の三色なのですが,この色が,戦前の法服の刺繍の色と対応しており,紺(≒深紫)が裁判官,赤(≒深緋)が検察官,そして白が弁護士ということらしいです(リンク)。なぜこの三色なのかと疑問に思っていましたが,戦前の法服からきていたとは・・・・。

2011年2月19日

真だち食べたい

昨日は,関西時代のバイトの後輩が来道していたので,飲みに行っておりました。その後輩が,最近日本酒にはまっているというので,植物園近くの「反則技」な居酒屋(過去記事)に行って,「呉春」飲んだりしていたのですが,北海道らしい料理ということで,真だちの天ぷらを食しました。

「たち」ってのは鱈の白子でして,「真だち」だと真鱈の白子ということになりますが,一応,北海道の味になるのかな。いや,でも,福井の「味の王様」で食べたことあるような気がする。「だだみ」と言っていましたが福井では。

まあ,昨日は夜遅くまでそんなことをして,終電間に合わなかったわけですが,今日になって,アリオに行って家族で買い物しておりましたら,妻が唐突に「真だちが食べたい」などと言い出しました。別に「たち」を食った話をしたわけではなかったのですが,昨日「真だち」を食ってしまった手前,無下に断ることも出来ず,アリオに入っている回転寿司の「和楽」に行ってしまいました。

「真だち軍艦」はやや高めの皿でした。

2011年2月20日

意外と近い

妻がどうも疲れが抜けていないようなので,昼寝してもらおうと,昼間に私は娘を車の後ろに乗せて2時間ほど適当に走らせていました。

以前,散々迷ったあげくにようやくたどり着いた南幌町の町営温泉(食堂の「キャベツ天丼」が名物)が,迷わずに行けば1時間もかからずに着くことが分かりました。

意外と近いんやな・・・・。

2011年2月21日

限界効用逓減

昼に,配属部の裁判官の皆様と連れだって飯を食いに行きました。

最近オープンした居酒屋がランチやっていたので入りましたところ,「満腹ザンギ定食」なるものがメニューにありました。そして,メニューの裏には,さらに大盛りの「超満腹ザンギ定食」が! なお「ザンギ」とはたれにつけ込んだ鶏肉の唐揚げのこと。

メニューにそういうのが載っていることを知ってしまった以上,いっとくしかないわけで,年甲斐もなくアブラギッシュな飯を食ってしまいました。

しかし,「超満腹」というだけに,ザンギの量が半端ではなく,最後の方はもてあまし気味でした。食べても食べても減らない・・・・。

まさに,限界効用逓減の法則,でした。

2011年2月22日

採点実感等に関する意見

去年の新司法試験の「採点実感等に関する意見」が発表になりました。

法務省のサイトへのリンク。PDFファイル)

試験委員の先生方の考え方が分かって,受験生は必見ですが,幸いにして合格した立場からみても,自分の答案は試験委員の先生方が考えているようには全然書けていなかったなぁ,と思います。

2011年2月23日

久しぶりに発熱

今朝起きたら,娘が鼻水垂らしていたので念のため体温を測ったら発熱していました。

最近は熱を出していなかったんですが,ちと風邪引いてしまったようです。

私は休みにくいので,妻が職場を休んで面倒をみていました。ま,年休結構たまっているからこういう時くらい使ってもらいましょう。

2011年2月24日

終日証人尋問

今日は朝から夕方まで法廷で証人尋問を聞いていて,大変に腰が痛かったです。

法廷においてある修習生用の椅子は,ちと固めなんですね・・・・。


夜は,H大法科大学院時代の検察官教員が転勤で札幌を離れられるとのことで,教え子有志でお礼の会をもちました。

※ ※ ※

娘は今日もやや体調悪く,保育園を引き続きお休み。

2011年2月25日

ひと月勘違い

今晩,配属部の送別会があると聞いていたのですが,ひと月勘違いしていたことが今日になって判明。実際に開催されるのは来月の25日金曜日ということです。

2月と3月だと曜日が一緒ですからね。どこで情報がゆがめられたのか,うちの部の修習生全員勘違いしていました。ま,変な時期に送別会やるもんだなと思ってはいたのですが・・・・。

2011年2月26日

耳突いた?

今日は大学の図書館に行って勉強していたのですが,夕方帰りがけに妻から慌てた様子で電話がかかってきて,娘が,少し目を離している間に床に落ちていた竹の耳かきをいじっていて耳を突いたらしいとのこと。左耳押さえて大泣きしているそうな。

慌てて帰宅して(そのころはすでに泣き止んでいた),車で大通の夜間急病センターに担ぎ込みました。

診てもらったところ,外耳道に擦り傷みたいなのができていましたが,鼓膜などは無事とのこと(ただし,中耳炎が再発している旨言われました)。耳かきで突っついたのは間違いないようですね。

やれやれでしたが,危険物の排除にはホンマ,気を付けなければなりません・・・・。

2011年2月27日

日商簿記2級受験(再び)

司法修習開始以来,方々で「簿記の知識は大事」という指摘を受けるので,今日は日商簿記2級を受験してきました。2級はン年前に一度受けて落ちたのよね。

とはいえ,事前の勉強はほとんど出来ずじまいで,仮に今回2級に受かったとしても簿記の知識を有していることにはならないなぁ。

やはり,こつこつと勉強するしかないですね・・・・。

2011年2月28日

問研起案

今日は午後に民事裁判のいわゆる問研起案が実施になりました。要件事実の即日起案です。

とりあえず,最後の手続についての小問はさっぱりわからなかった。

訴訟物は一応間違わなかったと思います・・・・。

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