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2010年8月 6日

イチャルパ

医学部の駐車場にテントが張られていて、何やら式典が行われるような準備がされていました。何やろかと思っていましたら、「イチャルパ」でした。

イチャルパとは、アイヌ語で先祖供養という意味のようです。そして、北大医学部でイチャルパが執り行われているのには、北大医学部が過去に「学術研究」の名目でアイヌの人骨を大量に収集してきたという暗い歴史が関連しているようです。

北大医学部のK教授は、1930年代以降、道内のアイヌ墓地を発掘して人骨を収集しており、その数は1004体にも及んだそうです。それらの人骨は「標本」として医学部内で無造作に保管されていたのですが、1980年代に北海道ウタリ協会(今の北海道アイヌ協会)が北大に強く要請して、医学部の駐車場脇に建立された「アイヌ納骨堂」に納められた上で、一年に一回北海道アイヌ協会の主催によるイチャルパが行われている、とのこと。

北海道に来て随分経ちますが、私はあんなところに「納骨堂」があることは知らなかったし、K教授の墓地発掘も詳しくは知らなかった。
K教授の行ったことは人間の尊厳を無視するおぞましい行為であるし、アイヌに対する差別意識の発露でもある、としか言いようがありませんね。また、駐車場の隅っこに建てられた「納骨堂」には、この問題を余り表に出したくないという北大の意向を感じます。

北大関係者として、北大のこういう問題点についてもしっかり認識する必要があるなと思いました。

※普段当ウェブログでは大学名を「動物のお医者さん」風にアルファベット表記にしていますが、問題の性質に鑑みて当エントリーでは実名にしています。

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