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2010年8月 5日

実質的に逮捕と同じ状態

殺人容疑で逮捕、勾留を取り消し 奈良地裁」(ヤフーニュースより)

殺人事件に関連して、被疑者を7日間にわたってホテルに宿泊させ「任意」で取り調べた後に逮捕したことが違法な逮捕手続であるとして、逮捕に引き続く被疑者勾留に対する準抗告(刑訴法429条1項2号)が認められたというニュース。

宿泊を伴う取り調べということで、高輪グリーンマンション事件の最高裁決定[最決1984(S59).02.29]を彷彿とさせるものがあります。高輪グリーンマンション事件で最高裁は、宿泊を伴う取り調べが「任意取調べの方法として必ずしも妥当なものであったとはいい難い」としながらも、被告人が任意に応じており、取り調べの必要性もあったとして任意捜査として違法であるとまではいえないとしています。これに対して、記事の内容から判断すると本件で裁判所は、被疑者の意に反して拘束し、宿泊を伴う取り調べをしたと認定して、実質的に逮捕したのと同じであると判断したということみたいです。

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