フェア・チャレンジの精神
去年の新司法試験について、考査委員のヒアリングがようやく発表されています(こちら)。
その中で、答案の体裁についてのコメントが一昨年に引き続き出されているので、ご紹介。
まず、一昨年(2008年)の新司法試験考査委員(公法系科目)に対するヒアリングの概要より。
「答案の書き方について,採点に当たった委員から問題が指摘されているので,受験生に注意を促す意味で,若干述べておきたい。答案用紙の左側,行頭を4分の1ほども空けて記載している答案がある。多くの字数分を空ける書き方は,場合によっては奇異な印象を与え,特定答案とみなされる可能性もあるということに留意すべきである。」
予備校の参考答案とかでもよく見る方法ですし、私もやっているのですが、答案作成に際して、答案用紙の行頭側に余白を空けている方法が、特定答案とみなされる可能性ありとして批判されていました。
この点について、昨年(2009年)新司法試験考査委員(公法系科目)に対するヒアリングの概要でも、再度以下のように触れられています。
「最後に解答の体裁に関して申し上げておきたいことは,フェア・チャレンジの精神を忘れないで欲しい,ということである。具体的には,毎行必ず行の頭を大幅に空けて書き,例えば,一行の3分の2ぐらいしか書いていない答案がある。採点実感等で注意をしてきているので,その数は減ってきており,良い傾向であると思っているが,なお散見される。「枚数稼ぎ」などせず,答案用紙に思う存分に自己の力を示して欲しい。」
余白をわざと設けているのは、別に枚数稼ぎという意図はなく、修正のための書き込みスペースを用意し、かつ、ナンバリングの階層の如何によらず行頭を揃えるという目的のものだと思いますが(少なくとも私はそのつもり)、考査委員には「枚数稼ぎ」するためにズルしているように思われてしまっているということですな。
やれやれ、気を付けなければなりませんな。