東京都管理職選考試験事件
「在日保健師定年「悔いなし」...昇任に国籍の壁」(ヤフーニュースより)
憲法判例百選にも登載されている、在日朝鮮人である保健師(東京都職員)が課長級の管理職選考試験の受験を拒否されたことについて、受験資格の確認と損害賠償を求めた事件[最判2005(H17).01.26、憲法百選I(第5版)6事件]の原告だった方が定年を迎えるという話。
上記最判の多数意見は、憲法14条1項の平等原則違反の審査基準として合理性の基準を用い、東京都が課長級については「公権力行使等地方公務員の職」と「これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職」との一体的な任用制度を構築することは、理由として合理的であるとしたものですが、最高裁での逆転敗訴だけあって、原告の鄭(チャンチョン)さんは落胆したとのこと。しかし、思いを理解してくれる同僚や地域に支えられ、「悔いはない」とのこと。
「提訴以来、ほかのことでつまずいたらいけないと常に緊張していた。やっとほっとできる」とも記事にはあり、書かれていない苦労も多くあったことと思います。