カムイの怒り
「二風谷ダム 土砂で4割埋まる 北海道開発局調べ」(ヤフーニュースより)
政権交代によりダムについていろいろ議論されているところですが、上記記事は平取町の二風谷ダムが、予想をはるかに超える土砂流入ではやくも4割方埋まってしまったことを紹介しています。
この二風谷ダムは、アイヌにとって神聖な地である「チノミシリ」と呼ばれる場所を破壊して建設工事が行われていますが、そのことなどがアイヌ文化への影響を考慮しなかったとして、ダム建設に係る土地収用裁決が違法であると裁判で宣言された(行政事件訴訟法31条1項のいわゆる事情判決)ことで知られています[札幌地判1997(H09).03.27]。
このように、アイヌ文化を軽視してダムを造ってしまったのが、あっという間に埋まろうとしているのを見ると、アイヌの神々であるカムイが怒っているのか、と思ってしまいます。そして、アイヌの神々を自然そのものととらえるならば、結局、ダムを造ったのは自然の摂理に反していたということになるんじゃないかと思いました。