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2009年6月14日

債権額説か受益説か

弁護士VS司法書士 債務整理の境界は 大阪高裁で訴訟加熱」(ヤフーニュースより)


まず、関連する条文は以下のものです。


司法書士法3条(業務)
1 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
(中略)
七  民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法 の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続若しくは裁判外の和解について代理すること。

裁判所法33条 (裁判権)
1 簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一  訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
(以下略)

法務大臣が認定した司法書士には簡裁代理権が与えられていますが、それに付随する裁判外代理権の範囲につき、債権整理を例にすると「整理の対象になる全債権額」(債権額説)と「整理によって圧縮される債権額」(受益説)の間で争いがあるとのこと。

例えば200万円の債権につき100万円に整理圧縮した場合、債権額説ではNGなのに対して受益説だとOKということになります。

条文を素直に読むと、簡裁の管轄にかかる民事の紛争であって、目的の価額が140万円をこえないものに関する代理権と読め、債権額説の方が妥当であると考えられますが、そうだと司法書士の仕事はかなり限定されることになり、司法書士に簡裁代理権を付与して市民の法へのアクセスを高めようとした意味がかなり損なわれるので考えものです。

ただ、依頼者から見れば、受益説だと債権額が140万円を超える場合でも司法書士に頼むと端から140万以下にまけたらなアカんことになるから、ちといやかもしれないな。しかも、和解の行方によっていわゆる非弁かそうでないかが変わってきうるから法的安定性も欠くことになりそうやし。なかなか難しい問題をはらんでいます。


裁判の行方に要注目。

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