「丸刈り校則」は奄美群島の中学にほぼ限られている
「<中学丸刈り>県弁護士会、人権侵害と廃止勧告 「伝統理由にならぬ」--鹿児島・奄美」(ヤフーニュースへのリンク)
男子中学生の「丸刈り」校則に関して、鹿児島県の弁護士会が人権救済申し立てをうけた廃止勧告を出したというニュース。
記事中、「『丸刈り強制』について『全国的にみても、奄美群島の中学にほぼ限られている』と指摘」したというくだりがあり、驚きました。私が中学生だった時分は「丸刈り校則」はさほど珍しくはなく、例えば神戸市なんかは100%丸刈りだったものが、六甲アイランドに新規に開校した中学校が丸刈り校則を定めなかったとニュースになったのを記憶しているくらいです。私の通っていたのは神戸市ではない兵庫県内の中学校でしたが、「丸刈り校則」ではなかったにせよ、事実上長くてスポーツ刈りくらいの運用になっており、他にも「前髪をひさしのようにしない」とか「額の角をそりあげない」という妙な校則があったのに驚いたものです。
「ウィキペディア」の該当記事によると、ここ数年で全国的にみても急速に「丸刈り校則」はなくなっており、奄美は最後の牙城になっているようです。
「丸刈り校則」については、いわゆる熊本男子中学生丸刈り校則事件に関する熊本地判1985(S60).11.13が著名ですが、その中で、校則を制定した校長の行為に裁量権の逸脱がないという理由付けとして「いわゆる丸刈は、・・・・時代の趨勢に従い特に都市部では除々に姿を消しつつあるとはいえ、今なお男子児童生徒の髪形の一つとして社会的に承認され、特に郡部においては広く行われている」という認定をしていますが、今日においてはこのような認定は成り立たなくなっているということになりましょうか。