かすがい
今日は、刑法総論の授業でした。お題は「罪数」。
盗った他人の預金通帳と印鑑を銀行に持っていって、払い戻し用紙にその他人の名前を書いて印鑑押して、窓口に持っていって、預金を引き出したら、私文書偽造(刑159条1項)、偽造私文書行使(刑161条)、詐欺(刑246条1項)になりますな。その罪数について、レポーターは私文書偽造と偽造私文書行使が牽連犯(刑54条1項後段)、偽造私文書行使と詐欺が牽連犯で「かすがい」になる、としたのですが、担当教員から「そうなのか」という疑問が。
私も最初レポーターの説明聞いたときは「かすがい」でOKかな、と思ったのですが、教員の話聞いてたら、違うかも、と思いました。
「かすがい」というと、教科書的には、住居侵入してAさん、Bさん殺したとかいうときに、本来Aさん殺し、Bさん殺しは併合罪(刑45条)になるはずのところ、住居侵入とAさん殺しが牽連犯、住居侵入とBさん殺しが牽連犯、になる結果として、全体として科刑上一罪になる、という話ですよね。
でも、本件は、私文書偽造、偽造私文書行使、詐欺が、一連の流れになっていて、ちょっと違うかな、と。
絵にすると、こんな感じかしら・・・・。
・・・・とまぁ、こんな絵を授業中レジュメに落書きしていました、ということを書きたいがために、珍しく法科大学院生的にまじめな話を延々と書いてきたという次第。
偽造私文書行使と詐欺は観念的競合(刑54条1項前段)ちゃうか、という説もあったりするわけですが、ま、結局、科刑上一罪になるのはいいと思うんで、あんまり実益のある議論ではないですな・・・・。
コメント
かっ、かわいい・・・
しかもこのセンス!あっぱれです。
投稿者: YH | 2006年7月20日 06:26
>YHさん
かわいいっしょ。
ちなみに僕的には「つくね」のイメージ。某○○○三兄弟とは関係ない、としておきましょう。
投稿者: kumamine | 2006年7月20日 14:31