原酒と熟成
日曜に余市蒸溜所で買ってきたウイスキーの未貯蔵原酒、今日飲みました。
工場で匂いだけ嗅いだときはやたらにアルコールがつーんときたので、甲類焼酎みたいな
無味無臭な感じを予想していたのですが、実際飲んでみると、フルーティーな口当たりで、
ちゃんとモルトウイスキーの味がしました。モルトウイスキーは麦芽が原料ですが、麦芽
を乾燥する工程で泥炭(ピート。草炭ともいう)で燻して、香りをつけるのです。その香りが
ウイスキーの味わいの源泉なのだな、と再認識。
しかし、アルコール65度で、とげとげしい、というか、荒々しい、というか、うまいんだけど、
きつい味わいだとも思いました。
私は今でこそ円い人格といわれますが、若い頃(大学の学部生の頃)は相当怖いというか、
人を寄せ付けない雰囲気があったと、20代の後半になってから大学院で再会した学部
同期に述懐されたことがあります。あの頃は主観的には余裕がなく、ひたすらひたむきに
生きていくしか方法がなかったので、そういう印象を周囲に与えていたのかな、と思います。
人も酒も、熟成されてくると変わってくるのでしょうか。ただ、どちらがよくてどちらが悪い
という話では決してなく、歳の経過とともに得たものと失ったものが相半ばしていて、一面
若いときみたいにひたむきな姿勢で生きていきたいと今でも思うし、他面では、若い頃に
今くらい心に余裕を持っていればよかったのにな、という気持ちもあります。
そんなことを考えながら、グラスを傾けました。