1 まずは部屋探しから
2004年12月、大学院の合格が決まり、翌年の4月から札幌に住むことに決まった。
仕事や勉強など、いろいろしなければならないことが山積している中、引っ越しの準備もしなければならない。
まずは、住む場所を見つけなければならない。最近は便利なもので、インターネットでかなりのことが調べられる。また、幸いなことに札幌は昔後輩が住んでいた関係もあり、私が住むことになるであろう大学近辺に関してはそこそこ土地勘がある。まずは不動産業者のウェブサイトで目星をつけてみた(私が見た中では、こことかここがお勧め。ただ、後者はIEじゃないと見ることが出来ないページがあります)。
相場としては、ワンルームで3万から4万、1DKで3.5万から4.5万といったところであるようだ。また、敷金はほとんどの場合1ヶ月分であり、「保証金」と称して高い金を請求してくる関西の感覚からすると、かなりの割安感がある。いくつかピックアップした上で、ある不動産業者に電話をかけて、1月末に札幌に行くので、物件を見たい旨連絡をした。
不動産を選ぶ上で留意した点は次のことである。まず、大学までの距離は徒歩で30分以内。これは、冬季に道路が凍結するという札幌の環境下では、2キロ以内ということになろう(余談だが、不動産情報で「駅歩○分」というのは、分速80メートルで計算するようだ)。次に、これも北国ならではであるが、暖房器具の問題である。一般に、札幌では、強制吸排気のFF式ストーブというものがついている場合がほとんどである。FFストーブには、ガス式と灯油式のものがあるが、ランニングコストとしては灯油式のものが圧倒的に有利である。灯油も、外のタンクから配管で供給されるので、「灯油ちゅるちゅる」でしこしこ給油する必要もないのである。さらにすごいところでは、灯油式のボイラーが備え付けられている物件もあり、その場合だと給湯についても安価な灯油によって行われるので、さらにコスト的に有利である。最低でも、灯油式の暖房器具が備え付けられている物件を狙った。
1月末、ここ数年来最悪の寒波が襲来する中、氷点下の札幌に赴いた。不動産業者には、事前に目星をつけた物件を伝えてあったので、事前に管理会社から鍵を借り出してくれていた。
第一候補の物件は、インターネットで見たときには非常に魅力的に見えたのであるが、実際に見てみると、思ったより狭苦しい感じがした。また、敷金を2ヶ月分取るなど、諸経費も相場よりかなり高く、ちょっと予算オーバーかな、という感じであった(管理会社が東京の某住宅メーカーであることが原因らしい)。
事前に目星をつけていた物件以外に、業者が見せてくれた物件は、改装して1、2階の部屋をつないでメゾネット形式にしているという面白いものであったが、日当たりが悪すぎて寒いことといったらなかった。結局、第二候補として事前に考えていた物件にした。広めの1LDKで4万円であった。唯一の難点はストーブが据え付けられておらず、別途購入する必要がある、という点である。もっとも、灯油配管は備わっているし、諸経費も比較的安価であるため、そのコストは十分吸収できるであろう、と踏んだ。
あとは、手続きである。敷金、前家賃、仲介手数料、火災保険料で約14万円を支払った。実家に電話をして、父親に保証人を依頼し、父親の勤務先の電話番号などを問い合わせた。私も勤務先やら年収やらを書類に書き、これらを審査に回すということであった。あと、私の住民票と顔写真、保証人の印鑑証明書が必要とのことで、審査が通った後で郵送する、ということになった。
なお、入試などの関係で、引っ越しするかどうかわからないうちに手付を打って仮押さえしたい、という方もおられるかと思う。これに関しては、札幌の不動産業者はなかなか認めてくれないようだ。とりあえず契約だけして、結果が不首尾の際には解約、もしくは、事前に物件をいくつかみて優先順位をつけておき、結果がわかり次第、空き状況に従って即時契約、みたいな方法をとる他ないようである。あと、転職などで仕事がない状態で物件を探しても、なかなか紹介してくれない、ということもあるようである(参考「札幌ネット-北海道移住支援」)。