私の失敗(2)--受験校選択の誤り
(1)で述べたように、適性試験の出来にいい気になっていた私は、「合格」という観点に着目したならば、受験校の選択も誤っていた面があったと思う。
法科大学院入学を志し、情報収集に努めていた私は、最終的に北海道大学を第一志望に据えた。学習環境が整っていると感じられたことと、小論文の成績や、適性試験の成績の上位層を合格させる「顕著枠」という制度が存在しているということが理由である。
この「顕著枠」とやらは、実は曲者であった。まず、各枠の大きさはきわめて少なく、小論文や適性試験の出来が受験者中最上位に近くなければ合格できない、というシステムであった。次に、適性試験「顕著枠」については、仮に適性試験が満点だったとしても、二次試験の小論文で大失敗すると、合格にはならないという制度であったのだが、「適性試験だけで合格できる」という少々誤った情報が流布した結果、全国から満点に近いような適性試験猛者が続々と出願して、私くらいの、そこそこいいくらいの成績だと、お話にならなくなってしまっていたということである。
私は、適性試験には自信があった上に、小論文にも得意意識があったので、北大は堅い、という思いこみがあったのであるが、実際のところ、適性試験も小論文も、中途半端な出来であって、合格には至らなかったのである。全くの誤算であった。
もっとも、北海道大学は是非にも行きたい大学院であったので、その観点からは誤っていたわけではない。ただ、私にとっては北海道大学はまことに険しい道のりであり、その後も散々苦労させられるのであった。