私の失敗(1)--油断と慢心
私が法科大学院受験に失敗した第一の理由は、第一の関門である適性試験において、そこそこいい点数を取ってしまったことにより、「失敗はないだろう」という油断と慢心があったと思われる。
法科大学院入試元年である、2003年に受験した適性試験は、日弁連、大学入試センターとも、上位数パーセントくらいの位置につけており、リサーチ判定もほとんどの大学院でトップクラスであった。この段階で、合格は堅いと勝手に思いこんでしまった。
今思えば、二次試験もあるし、合否判定で適性試験がどの程度重視されるかということは各大学院によってまちまちである。にも関わらず、一次試験の成績だけでいい気になってしまっていたのは全くお目出度い話であった。
ただ、一応弁解しておくと、最初の入試ということで、確たる情報というのは世間には何もなく、誰も彼もが手探りの状態であった、ということもあった。その中で、とりあえず形になるものとして最初に出てきた適性試験の成績がよかったことで、少々浮かれてしまったのも致し方がない面もなくはなかった、と思う。「適性試験神話」という魔物に、私は見事にとらわれてしまったのである。